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-発明ヒアリングで気を付けていること- 第179号

2018.12.03 カテゴリー/ Column 

 こんにちは。田村良介です。


 先日、知財部のご担当の方から、

 『開発者から発明のヒアリングをするときに、
  何か気を付けていることはありますか?』

 というご質問を受けました。


 人それぞれ違うとは思いますので、
 これが正解ではないかもしれませんが、

 私は、主に2つのことに気を付けています。


 1つは、開発者の方からお伺いした内容が、
 特許が認められる可能性の低いと思われるもので
 あったとしても一方的に否定しない、ということ。


 特許が認められる可能性が低いと思われる場合は、

 『〇〇ような観点で工夫を追加していただくと、
  特許が認められる可能性も高くなります。

  このような工夫、考えられませんか?』

 といったお話をさせていただきます。 


 いただいたアイデアを一方的に否定をしてしまうと、

 開発者の方にせっかくご提案をいただいたのに、
 「特許は難しいものだ」という印象を与え、

 今後、ご提案をしていただけなくなるかもしれません。


 できるだけ次につながるように、
 心がけたいと思っています。



 もう1つは、
 『なぜ、その工夫をすると、優れた効果が発揮されるのか』
 を突き詰めること。

 優れた効果が発揮される理由、原理を、
 開発者の方からお伺いすることで、

 発明の本質的な要素は何かを、特定していきます。
 

 開発されたご本人も、優れた効果が発揮される理由を
 うまく言語化できていない場合もありますから、

 『この場合は、どうなりますか』
 『ここは、なぜ、このようになるのですか』
 『ここは、〇〇という理由で、こうなるのですか』

 みたいに、切り口を変えながら、
 
 頭の中で『なぜ』を繰り返しながら、
 質問をしていくと、よいかもしれません。


 そのように繰り返していくと、

 Aという工夫をすると、Bという理由で、
 Cのような現象が起こり、Dという結果になる、

 みたいな1つのストーリーができあがり、


 発明の本質的要素を、請求項として記載するための
 材料が集まってきます。 



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