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-一利を興すは一害を除くに如かず- 第140号

2017.08.14 カテゴリー/ Column 

こんにちは。田村良介です。


皆さん、耶律楚材(やりつそざい)
という人物をご存知でしょうか。

世界史が好きな方なら、ご存知かもしれません。

モンゴル帝国を作ったチンギス・カーンの側近が、
耶律楚材です。


この耶律楚材の名言に、

「一利を興すは一害を除くに如かず」

というものがあります。


意味は、

「1つの利益のあることを始めるよりも
 1つの害を取り除くことの方が良い」

というもの。


例えば、

健康について当てはめてみると、

青汁を飲むことが一利であるとするなら、
深夜にラーメンを食べることが一害にあたります。

つまり、深夜にラーメンを食べることをやめる方が、
青汁を飲むことよりも、健康にとって有効だということ。


良い食習慣を一つ作るよりも、
悪い食習慣をなくす方が、難しいのですが、

その方が、より健康にも効果的なのでしょうね。



ところで、

「一利を興すは一害を除くに如かず」は、
特許の世界でも言えることかもしれません。


特許出願をして自社の製品を保護する、
ということが、一利であるとすれば、

自社の製品が他社の特許権を侵害することは、
一害なわけです。


他社の特許権を侵害すると、
その製品の製造・販売ができなくなることもありますから。


そう考えると、

他社の特許を侵害するリスクを排除する、
自社にとって問題となる他社特許をゼロにする、

という活動が、

場合によっては、特許出願をするよりも重要
と言えるのかもしれませんね。



そうすると、次に、

他社の特許権を侵害する、
という一害を除くには?

という問いが出てきます。



例えば、他社特許をつぶしてしまう。

無効審判や特許異議申立てをするだけでなく、
調査をして無効にできそうな資料を集めておく、

ということだけでも良いかも知れません。


また、自社特許と他社特許とをクロスライセンスをして、
他社特許の侵害とならない状態にする、

というのも1つ。


製品の設計を変更して、
他社特許にひっかからないようにする、

というのも選択肢としてあります。



◆今日のポイント◆
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 ☆一利を興すは一害を除くに如かず。
  
☆他社特許の侵害を防止するための活動は、
  最も重要な活動の1つ。


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