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-野球から学ぶ練習方法- 第178号

2018.11.19 カテゴリー/ Column 

 こんにちは。田村良介です。


 突然なのですが、スポーツの練習って、

 いつも実戦形式の練習をするわけではなく、
 基礎的な練習の方が多いですよね。


 私、高校と大学でラグビー部に所属していたのですが、
 実戦形式の練習が毎日あるわけでもなく、

 基礎的な練習の時間の方が、実戦形式のものよりも、
 圧倒的に長かったような気がします。


 あまり野球には詳しくないのですが、

 プロ野球の選手も、
 ピッチャーが投げたボールを打つ練習もしているかと
 思いますが、素振りやトスバッティングもしています。


 スポーツは、複数の要素がからみあって、
 それが結果としてあらわれます。


 例えば、バッティングであれば、

 無駄のないフォームでバットを振るという要素と、 
 投手の心理を読んで、ボールのコースを読むという要素と、

 があるかもしれません。

 
 練習の際は、これらの要素を一緒に練習するよりも、

 それぞれの要素ごとに練習した方が、
 はるかに練習の効果が高くなるように思います。


 そういった理由から、プロ野球の選手も、
 素振りやトスバッティングをするのではないでしょうか。


 
 実は、請求項を書くというスキルについても、
 同じことが言えるのではないかと思っています。


 請求項を書くというスキルは、

 発明の本質的な部分がどこにあるのかを捉えるという要素と、
 発明の本質的な部分を、文章で適切に表現するという要素と
 
 から成り立っています。


 そこで、今日は、文章で適切に表現するための
 練習方法をご紹介します。


 まずは、お手本となる請求項を1つ用意します。
 このお手本となる請求項をじっくり読んで、内容を把握します。

 次に、お手本を見ないようにして、
 自分で、この請求項の再現を試みます。


 できあがったら、お手本と、再現したものを見比べてみます。
 これを何度も繰り返します。



 この練習をすると、請求項を書く際に、

 どの順番で、何を書けば良いのか、
 どのような表現を用いれば良いのかなど、

 請求項を書く際のルールを学ぶことができます。



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■当メールマガジンについて

※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
 ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
 すべてが絶対的に正しいとは、考えておりません。

 予めご了承いただいたうえで、お読みください。

■メールマガジン「役に立つ特許実務者マニュアル」は
 著作権により保護されています。

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 こんにちは。田村良介です。


 株式会社R&D支援センター様のご主催で、
 拒絶理由通知への対応(主に、新規性・進歩性)をテーマに、
 お話をさせていただきます。

 ここ3年ほど、毎年、R&D支援センター様にて、
 セミナーをさせていただいており、今回は4回目です。

 
  開催日時: 2018年11月20日(火)10:30~16:30予定
  会  場:【東京・江東区】
       商工情報センター(カメリアプラザ)9F 研修室


 詳しくは、以下をご確認ください。
  http://www.lhpat.com/news/1498.html



 というわけで、前回に引き続き、進歩性の拒絶理由通知を
 テーマにお話をさせていただきます。


 進歩性の拒絶理由通知に対応する際に、
 どのように請求項を補正するかを悩むことがあります。


 補正案を考える際に、よくあるのが、

 請求項と、引用文献を比較する対比表をつくり、
 どの従属請求項であれば、特許になりそうかを考える、

 という、方法だと思います。


 ただ、この方法だと、

 特許になりそうな補正案をみつけることはできても、
 特許にすべき技術をカバーした補正案をみつけることは、

 できないのではないかと、思っています。


 特許になりそうなところで、特許にするのではなく、
 特許をとるべきところで、特許にする、

 ということを考えると、別の視点が必要になってきます。


 
 私が重要だと考えているのは、

 『そもそも、この発明は何を実現したいものなのか?』

 に立ち返る、ということです。


 あたりまえのことのようですが、

 引用文献との違いをみつけることだけに意識が向いていると、
 このあたりまえのことが、できなくなります。



 『発明が何を実現したいものなのか』が分かれば、
 
 それを実現するために、
 何をしているのか、何が必要なのかを、
 突き詰めて考えていきます。


 そうすると、発明と引用文献の違いが、
 自然と見えてくるんですね。


 抽象的な話で分かりにくいかもしれませんが、
 この感覚・コツは、すごく重要です。

 
 『そもそも、この発明は何を実現したいものなのか?』
 に立ち返ることで、 

 引用文献との違いは何かだけに意識を向けていただけでは
 気付かないようなことに、

 気付くことがあります。
 



 詳しく、お聴きになりたい方は、
 セミナーにもどうぞ(笑)


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 ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
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 こんにちは。田村良介です。


 株式会社R&D支援センター様のご主催で、2018年11月20日に
 拒絶理由通知への対応(主に、新規性・進歩性)をテーマに、
 お話をさせていただきます。


 というわけで、今回は、進歩性の拒絶理由通知を
 テーマにお話をさせていただきます。

 出願時に公知になっている発明等に基いて、
 容易に発明をすることができる場合は、進歩性がない、
 容易に発明をすることができない場合は、進歩性がある、

 と判断されます。


 「容易に発明をすることができる」というのが、
 非常にあいまいで、わかりにくいわけですが、
  
 今日のお話で、進歩性の判断の全体像を、
 つかんでいただけるかもしれません。



 特許庁の審査基準では、例えば、
 
 進歩性があることを肯定する主な要素として、
 
 ・発明の有利な効果
 ・阻害要因


 進歩性があることを否定する主な要素として、

 ・主引用発明に副引用発明を適用する動機付け
   (1) 技術分野の関連性
   (2) 課題の共通性
   (3) 作用、機能の共通性
   (4) 引用発明の内容中の示唆
 ・主引用発明からの設計変更等
 ・先行技術の単なる寄せ集め
 
 などがあげられています。

 
 審査では、肯定的な要素と否定的な要素との
 バランスがどちらに傾いているかに応じて、

 進歩性があるかないかの判断を行っています。


 ですから、

 主引用発明に副引用発明を適用する動機付けがあると、
 審査官から指摘されているのに、
 発明の有利な効果についての主張しかしないと、

 肯定的要素よりも否定的要素が大きいと判断され、
 進歩性が認められないことがあります。


 また、意見書で、主引用発明に副引用発明を
 適用する動機付けがないとだけ主張して、
 発明の有利な効果についての主張をしなければ、

 否定的要素はそれほど大きくなくても、
 肯定的要素が全くないと判断され、
 進歩性が認められないこともあるでしょう。


 ですから、対応としては、

 否定的要素、つまりマイナスをゼロに近づけ、
 肯定的要素、つまりプラスを如何に延ばすかが、

 進歩性の拒絶理由を解消するのに、重要となってきます。



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 著作権により保護されています。

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 こんにちは。田村良介です。


 日本の企業が、外国に特許出願する場合、

 企業から現地の特許事務所に直接的に依頼する
 こともできますが、

 企業から国内の特許事務所に依頼をし、
 国内特許事務所から、その国の特許事務所に
 出願の依頼をすることがあります。


 うちの事務所でも、そういった形のご依頼を、
 多数いただいております。


 企業と現地の特許事務所が直接やりとりをすれば、
 企業の費用負担は軽くなるはずなのに、
 あえて、国内の特許事務所に依頼する意味はあるのでしょうか。


 1つの理由としては、

 国内の特許事務所に依頼をすれば、
 現地の特許事務所と複雑なやりとりをしなくてすみますから、
 企業の業務負荷の軽減につながります。


 もう1つの理由は、

 現地の特許事務所よりも、日本の特許事務所の方が、
 普段から、その企業と接している分、

 その企業の方針や状況を理解した上での提案ができる、
 ということなんだと思います。


 以前、こんなことがありました。

 米国へ出願をし、審査の結果、
 オフィスアクションが通知されました。
 (日本でいうところの拒絶理由通知です)

 現地の特許事務所からの提案は、
 独立請求項を下位の従属請求項で限定するというものでした。

 たしかにこの提案どおりに請求項を補正すれば、
 特許は認められやすいのですが、

 この企業様の実際の製品で利用されている技術とは
 ほど遠い請求項になります。


 そこで、私からは、

 特許にするのは、そこまで容易ではないですが、

 実際の製品をしっかりカバーできる内容で、
 請求項を補正するように、

 ご提案をさせていただきました。
 

 特許の仕事をしていると、どうすれば特許になるか?
 ばかりが先にたってしまいがちですが、

 実際の製品はどうなのか?
 どうすれば競合他社を牽制できるような特許になるのか?

 という視点をもつことが、非常に重要です。


 特許事務所の弁理士だから、
 特許のことさえ分かっていればいい
 というものではなく、

 ご依頼をいただく企業様の方針や製品、
 その業界のことなど、より多くを知ったうえで、

 業務にのぞむことが重要だと考えています。


  
 冒頭の外国出願についてのご依頼の場合でも、
 このような姿勢で業務に取り組むことで、

 よりよいご提案を企業様に提供できるのではないか、
 と思います。


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 こんにちは。田村良介です。


 来月(2018年11月)ですが、株式会社R&D支援センター様のご主催で、
 拒絶理由通知への対応(主に、新規性・進歩性)をテーマに、
 お話をさせていただきます。

 ここ3年ほど、毎年、R&D支援センター様にて、
 セミナーをさせていただいており、今回は4回目です。

 
  開催日時: 2018年11月20日(火)10:30~16:30予定
  会  場:【東京・江東区】
       商工情報センター(カメリアプラザ)9F 研修室


 詳しくは、以下をご確認ください。
  http://www.lhpat.com/news/1498.html



 一般的に、拒絶理由通知のセミナーというと、
 判例などの解説をするセミナーが多いと思うのですが、

 今回のセミナーでは、拒絶理由通知への対応方針を、
 どのように考え、検討していくのかをお伝えするものです。


 対応方針を検討するために必要な基礎知識と、
 検討に当たっての具体的な手順、手法について、
 お話をいたします。

 途中、簡単なワークも行っていただく予定にしています。


 
 以下にあるURL中にあるお申込み用紙でお申し込みいただくと、
 通常、49,800円のところ、32,400円で受講できるそうですので、

 ご興味のある方は、是非、お申込みください。


 
 さて、本題です。

 今日は、進歩性の拒絶理由通知への対応方法について、
 とっておきの秘訣のお話をさせていただきます。


 拒絶理由通知を読んでいると、
 
 『なるほど、審査官の言うとおりで、反論しようがないなぁ』

 と感じることがあります。


 そんなとき、ちょっと待ってください。


 たしかに、審査官の主張を読んでいると、
 審査官の考え方に納得してしまうこともありますが、

 ほんとに、審査官の言うとおりでしょうか。



 そんなときは、一度、拒絶理由通知の内容を忘れてしまいます。

 そして、発明のことも、拒絶理由通知の内容も
 詳しく知らない人になりきってみます。


 例えば、引用文献1と引用文献2との組み合わせで、
 進歩性がないと判断されている場合であれば、

 発明のことも、拒絶理由通知の内容も詳しく知らない前提で、
 引用文献1と引用文献2を組み合わせてみたら、
 どんな発明になるだろう?

 と想像してみます。  
 
   
 そうして、引用文献1と引用文献2を組み合わせてみると、

 審査の対象となっている発明とは、まったく別のものが
 できあがったり、

 そもそも、引用文献1と引用文献2を組み合わせようとは
 考えもつかない、

 とか、そういった違和感を感じることがあります。


 そういった違和感を感じる、ということは、
 審査官の主張のどこかに無理がある証拠です。


 あとは、この違和感を、審査官に伝わるように
 意見書で説明をすればOKです。


 拒絶理由通知への対応の際に、
 なんとか特許にしようとして、

 請求項を補正して、権利範囲をかなり狭くして、
 特許にするようなケースをみることがありますが、

 このような反論をすることで、
 進歩性が認められることもありますので、

 必要以上に権利範囲を狭めることなく、
 特許にすることも可能となります。



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