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-明細書を書くときに意識をすること- 第121号

2017.01.06 カテゴリー/ Column 

あけましておめでとうございます。
田村良介です。
本年もよろしくお願い申し上げます。


「一年の計は元旦にあり」
と言いますが、もう計画や目標を立てられましたでしょうか。


年の初めに目標を立てたとしても、

多くの場合は、すぐに、その目標を忘れてしまうそうです。


私も、思い当たります。。。

「ダイエットをする」と宣言しても、
3日後には、甘いものを食べているとか(汗)


目標を忘れないための方法としては、

目標を紙に書いて、目標を書いた紙を、持ち歩いて見ること、

だそうです。


日頃から、目標を意識することで、目標を達成する可能性も、ぐっと高まる、

ということなんだと思います。


「○○大学合格!」といったように、目標を紙に書いて、壁に貼る、

というのは、良い方法なんですね。



毎年、掛け声になっているダイエットを、

今年こそは、掛け声に終わらせないようにしたいです。



さて、今日の本題です。


特許請求の範囲は、

権利を受けようとする発明を特定する
という役割をはたすものです。


一方、明細書は、

その発明の内容を具体的に説明する
という役割をもっています。


言い換えれば、明細書は、

特許法36条4項1号の実施可能要件、
(当業者が発明を実施できる程度に記載されていること)

特許法36条6項1号のサポート要件、
(特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載したものであること)

を満たすための役割をはたすものです。



実は、これだけではなく、
明細書はもう一つの役割をもっています。


それは、

将来的に、
特許請求の範囲を補正する必要がでてきたときに、
その補正の根拠となる


というものです。


明細書を書くとき、

実施可能要件とサポート要件については、意識をしながら書きますが、

補正の根拠を記載している、ということは、
意識をしないと忘れがちになります。


日本語の文章は、主語や述語が省略されていても、

前後の文脈で、なんとなく意味が通じるような文章になることがあります。


ですから、明細書を書いているときに、

曖昧な表現になっていることに気が付かない、
必要なことを省略していることに気が付かない、

といったようなことが、起こります。


その結果、いざ補正をしようとなると、
明細書をもう少し明確に書いておくべきだった、

ということになります。



対策としては、

明細書を書くときに、

将来、この記載をもとに、特許請求の範囲を補正できるか?

ということを意識すること。

これで、曖昧な表現も、かなり減らすことができます。



目標も、日頃から意識をすることで、
達成の可能性が高まるのだと思いますが、

明細書も、補正の可能性を意識することで、

曖昧な表現ではなく、より明確な文章を書くことができます。



◆今日のポイント◆
└───────────────────

 ☆明細書を書くときに、『補正の根拠を記載している』
  ということを意識をしないと忘れがちになる。

 ☆補正の可能性を意識しながら、明細書を書くことで、
  明確な文章を書くことができる。


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