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-発明の本質を捉えるためにすべきこと- 第136号

2017.07.31 カテゴリー/ Column 

こんにちは。田村良介です。


先日、事務所のスタッフA君が作成した請求項を
確認していたときのことです。


請求項を読んでみると、その意図もわかるし、
しっかり書けているように見える。


なのに、何か違和感を感じる。
どうしてだろう?

少し考え、その違和感の正体に気が付きました。


A君の作成した請求項をもとに出願しても
運がよければ、特許は認められるかもしれません。

ですが、これが原因で特許が認められない可能性も
十分に考えられました。


そして、おそらく審査官も私と同じように考える
のではないかと・・・。


私は、その違和感の正体をA君に伝えました。

「なぜ、その発明が優れた効果を得られるのかを、
 十分に詰めて考えられていないのでは?」


請求項は、その発明を構成する必要最小限の構成
を記載するものです。


なぜ、その発明が優れた効果を得られるのかを
十分に把握しないままに記載をすると、

権利範囲が必要以上に狭くなるか、

本来の発明よりも請求項の範囲が広すぎるとして
拒絶理由の対象となります。


もちろん、A君も

「なぜ、その発明が優れた効果が得られるのか?」
ということを考えたうえで、

請求項を書いたのだと思います。


ただ、自分では十分に考えているつもりでも、
詰め切れていないこともあります。


コツとしては、『なぜ』を繰り返すこと。


まず、
「その発明が、優れた効果を得られるのは、
 なぜだろう?」

と考えます。


優れた効果を得られる理由が見つかると、
もう一度、考えます。

「なぜ、その理由が発生するのだろう?」


このように『なぜ』を繰り返すことで、

自分では十分に考えているつもりでも、
詰め切れていない、

ということが防げるのではないかと思います。


優れた効果を得られる理由が明確になれば、

その発明を構成する必要最小限の構成も
明確になります。



◆今日のポイント◆
└───────────────────

 ☆なぜ、その発明が優れた効果を得られるのか
  を把握することで、

  発明の本質をとらえた請求項を記載すること
  ができる。


 ☆『なぜ?』を繰り返すことで、

  なぜ、その発明が優れた効果を得られるのか
  を適切に把握することができる。


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