特許を通して貴社の事業発展をサポートします

こんにちは。田村良介です。



明細書を書くことに慣れていない段階では、

発明の内容を、どこまで具体的に書けば良いのか、
迷うことがあるかと思います。


こんなとき、
明細書に何を書くのかの基準をもっていると、

大きく悩むことなく、安心して、
明細書の作成を進めて行くことができます。



それでは、明細書に何を書くかですが、
以下を意識していただくと良いのではないかと。


 ・実施可能要件・サポート要件などの
  記載要件を満たすために必要なことを記載する

 ・将来、補正をする際の補正の根拠となり得る
  ことを記載する



まず、1つ目。

簡単に言うと、

明細書を見た人が、

「明細書の記載+技術常識をもとに、
 発明を実施できる程度に記載する」

必要があります。

その発明の内容を知らない人が、

明細書の記載とその分野の技術的な常識の
両方を考慮に入れると、発明が実施できる、

と言えるまで、

具体的に発明の内容を説明していきます。


例えば、

明細書の記載とその分野の技術的な常識をもとに、
発明品を製造できるように記載します。



次に、2つ目。

将来、補正をしたいと思ったときに、
記載があればいいなぁ、

と思うものを記載します。


つまり、補正の根拠となりそうな事項を
記載します。


補正の根拠となりそうな事項とは、

「発明の効果に影響を与えるだろう要素」
と言っても良いかもしれません。



例えば、発明の効果が、
成型品の強度であったとします。


そうすると、

成型品の強度に影響を与えそうな要素
(例えば、成型品の組成の比)が、

補正の根拠となり得るので、記載しておいたほうが良い、
ということになります。



例えば、運動器具に関する発明であれば、

運動の効果の高さに影響を与えそうな要素、
運動時の安全性に影響を与えそうな要素などを

明細書に記載しておく、ということになります。




◆今日のポイント◆
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 ☆明細書には何を記載するのか?

  ・実施可能要件・サポート要件などの
   記載要件を満たすために必要なことを記載する

  ・将来、補正をする際の補正の根拠となり得る
   ことを記載する


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※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
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 すべてが絶対的に正しいとは、考えておりません。

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 著作権により保護されています。

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-進歩性 三種の神器- 第148号

2017.09.25 カテゴリー/ Column 

こんにちは。田村良介です。



新・三種の神器って、ご存知ですか。

家電について、三種の神器という言葉が
初めて使われのは、1950年代。

その頃の三種の神器は、
冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビでした。


新・三種の神器は、

 ロボット掃除機、
 全自動洗濯乾燥機、
 食器洗い機

とのこと。


先日、10年以上、頑張ってくれていた
我が家の掃除機が、壊れてしまいました。

スイッチを押しても、応答してくれません。

10年以上、頑張ってくれたことに感謝しつつ、
思い切って、ロボット掃除機を購入しました。


実際に使ってみて、すごい便利。

壁にぶつかりながらも、頑張って床を掃除して
くれている姿をみて、愛着がわいてきました。



さて、かなり強引ですが、
発明の進歩性を主張する際も、三種の神器があります。


進歩性の三種の神器は、

 ・相違点
 ・発明の効果
 ・阻害要因


先行技術と相違点がなければ、
そもそも新規性がない、

ということになりますから、

発明が先行技術に対して相違を有することは、
大前提となります。



次に、発明の効果。

先行技術に対して優れた効果を
有するものであればあるほど、

進歩性は、認められやすくなります。



最後に阻害要因。

先行技術において本願発明と同じ構成を
採用することを阻害する事情がある場合は、

進歩性は、認められやすくなります。


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こんにちは。田村良介です。



「プレゼンの勉強をした方がいい。」


今から10年以上も前に、初めてセミナー講師をした後、
アンケートに書かれていました。

A4のアンケート用紙に、たった一言。


アンケート用紙、スペースがいっぱい余ってますよ。
もっと書くことあるでしょ(笑)

何か一つでも、褒めることないの?



今となっては笑い話ですが、当時は深刻です。

そして、アンケートのアドバイスにしたがって、
私の中でプレゼンの勉強がはじまりました(笑)


例えば、

「自分と何が違うのだろう?」

と考えながら、他の方のプレゼンを聴きます。


そうすると、

 ・一般論だけではなく具体例、実例が豊富
 ・自分自身の体験談が語られている
 ・失敗談などで、笑いを取っている

など、話の面白い方と自分との違いが見えてきました。


また、ご本人にも直接聴きました。

落語を聴くのがいいと教えてもらうと、
落語のDVDを購入し、何度も繰り返し聴きました。

落語は何度見ても笑ってしまって、
あまり効果はなかったかも。



そうすると、徐々に上達してきます。

あれから、数十回以上、セミナー講師をする機会を
いただきまして、

おかげさまで、今は、概ね良好な評価を
いただけているのではないかと(おそらく。。。)


自分より上手な人から、
そのコツを学ぶことで、

最初はダメダメだったプレゼン能力も、

多少ではありますが、
聴く方のお役に立てるものになったようです。



明細書や意見書の作成など、特許の仕事も同じで、
自分より上手くできる人からポイントを学ぶことで、

自分ひとりで努力するよりも、
より早く上達できるかもしれませんね。


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こんにちは。田村良介です。


この特許の業界で仕事をするようになって、
もう15年が経ちます。

以前、勤めていた特許事務所にいたころ、

「特許になれば、なんでも良いんだよ」

と、大先輩の弁理士から言われたことがありました。


「えっ?」

この一言に、すごく違和感を感じ、
15年経った今でも、はっきりと覚えています。


このことがきっかけで、

「企業が特許活動をする目的は何だろう?」

という問いを持つようになりました。


特許法では、
『産業の発達に寄与することが目的である』、
と規定されていますが、

それは、国家にとっての目的であって、
企業にとっての目的ではありません。


特許などを含む知的財産に関する活動は、
企業活動として行うものですから、

事業に貢献するものであるはず。



ところで、

ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は、

業界において有利なポジションを確保するための
3つの競争戦略を提唱しています。

 ・コスト・リーダーシップ戦略
 ・差別化戦略
 ・集中戦略


このうちの差別化戦略は、簡単に言うと、

商品・サービスの機能などで、
競合他社と差を設けることで、
他社との競争を有利に進めよう、

というものです。


上の3つの競争戦略のうち、
差別化戦略は、特許と縁が深いもので、

特許があれば、他社と差別化された状態を
維持することができます。


自社製品を他社製品と差別化をしても、

特許がなければ、すぐに同じような製品が
他社からも販売されることになります。


何が言いたいかというと、

自社の競争優位性を確保し、維持することが、
特許活動の目的なのではないか、

ということ。


「何を今さら当たり前のことを。。。」

と思われるかもしれませんが。


この仕事をしていると、

ついつい特許を取得することに意識がいき、
目的化してしまいがちになりますので、

自戒の意味も込めて、書かせていただきました。




◆今日のポイント◆
└───────────────────

 ☆特許活動の主な目的は、
  競争優位性を確保し、維持すること。


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こんにちは。田村良介です。


皆さん、パズル&ドラゴンズ、ってご存知ですか。
パズドラの方が、分かりやすいかもしれませんね。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社が
2012年にリリースをしたゲームで、

リリースしてから5年が経ちますが、
いまだに数百億円以上の売上があるゲームです。


実際にプレイしてみると、ほんとにおもしろいです。

私も一時期、はまってしまいました(笑)。



今日は、このパズドラにスポットを当ててみたい
と思います。


パズドラのことを知らない皆さん、ごめんなさい。


パズドラは、

ドロップと呼ばれるパズルブロックを、
同じ種類で3つ以上、縦 or 横につなげることで、
敵モンスターを攻撃できる、

というゲームです。


実際には、パズドラについては、
特許出願はされていませんが、

どのようなポイントで特許出願ができそうか、
検討してみます。


パズドラには、それまでのゲームになかった
だろう要素がたくさんあります。


例えば、

・ドロップの移動の仕方。

 自分が選択したドロップを移動させることで、
 隣のドロップと位置が交換されていきます。

 ドロップの交換を繰り返しながら、同じ色の
 ドロップを縦横に並べていくことができます。


・ドロップを縦横に揃えると、
 敵キャラクタを攻撃できる。

 敵キャラクタのHPが残っていれば、
 攻撃を受ける。


・ドロップを縦横に揃えると、揃えた色によって、
 敵キャラクタに与えるダメージが変わる。


・味方キャラクタを選択できる。
 味方キャラクタに設定された色と、
 揃えたドロップの色によって、
 敵キャラクタに与えるダメージが変わる。


他にも、ありそうです。


このように、1つの製品に、
複数の発明が含まれていることがあります。


特許調査をしてみると、似ているような技術が
先に開示されているかもしれません。


ですが、それでも、いろんな切り口で、
発明を捉えることができれば、

特許調査の結果、似たような技術を
発見したとしても、

どこかで違いをみつけて特許出願をする
ことができます。




◆今日のポイント◆
└───────────────────

 ☆一つの製品に、複数の発明が含まれている
  ことがある。
  
 ☆できるだけ多くの切り口で、発明を捉える
  ことが望ましい。


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