こんにちは。田村良介です。
『仕事をしていて、どんなときが楽しいか?』
以前、この問いに対して、ある方から
『人に喜ばれたり、褒められたときに楽しいです。』
という回答をいただいたことがあります。
『働く』の語源は「傍(はた)を楽にする」だそうです。
人に喜ばれる、ということは、しっかり働けている
証拠ですよね。
私も、仕事をしていて、お客様のお役にたって、
喜んでいただきたいです。
実は、『仕事の楽しさ』ということを考えたとき、
もう1つの側面があるのではないかと考えています。
『人に喜ばれたり』というのは、仕事の結果・成果
ですよね。
いい結果が生まれたから楽しい、というのはもちろんなのですが、
いい結果が生まれるか、生まれないかにかかわらず、
仕事を進めるプロセスそのものを楽しむと、
もっと仕事が楽しくなるはず、と思っています。
難しいことにチャレンジをして、
工夫をしたり、試行錯誤することにも楽しさがあります。
愚痴を言うようでなんなのですが(笑)、
最高の『請求項』が書けたと思っても、
最高の『意見書』が書けたと思っても、
そんなにお褒めの言葉がいただけるわけではありません(泣)。
なので、結果だけでなく、プロセスも楽しんでしまいましょう、
という話です。
そうやって仕事のプロセスを楽しんでいると、
自分自身の取り組んでいる分野についての『オタク』に
なっていきます。
専門家といった方がかっこいいのですが、
『オタク』の方がニュアンスが近いように思います。
でも『オタク』になれば、
必要な知識も覚えようと思わなくても覚えますし、
いつもそのことについて考えるので、理解も深まりますし、
スキルも伸びていきます。
私の場合ですと、『特許オタク』、『拒絶理由通知オタク』
と言えるかもしれません。
あまり、かっこよくないですが(笑)。
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■当メールマガジンについて
※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
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こんにちは。田村良介です。
請求項を記載する際によくある失敗が、
発明の対象となっている製品そのものに引きづられて、
請求項を記載してしまうことです。
例えば、発明品が、レーザーを照射して被加工品を
切断していたとします。
そうすると、
「・・レーザー照射により被加工品を切断する切断手段・・」
という請求項を記載してしまうことがあります。
でも、実際は、レーザー照射以外の切断方法でも、
優れた発明の効果が得られる場合があります。
このように、発明品、つまり実施の形態に引きづられて、
請求項を記載してしまうと、仮に特許権を取得したとしても、
他社は、特許権侵害とならないように回避をしたうえで、
発明のコンセプトだけを真似することができてしまいます。
上の例の場合であれば、
「レーザー照射」以外の方法で、被加工品を切断すれば、
特許権の侵害を回避することができます。
最も重要なのは、
『発明の本質を捉えた請求項』を記載すること。
特許を取得したとしても、
請求項に不要な記載が入っていたり、
本質からずれた記載となっていると、
それだけ簡単に、
特許権侵害を回避されてしまうことになります。
では『発明の本質を捉えた請求項』を記載するには、
発明の効果が発揮される理由を考え抜く必要があります。
発明の効果は、どのような原理・現象で発揮されるのか、
その原理・現象が発現されるために、必要な要素はなにかを
考えぬきます。
「これを別の要素に置き換えると、どうなるだろう?」
「この要素を取り除いたら、どうなるだろう?」
といったことを、あわせて考えると良いかもしれません。
請求項を書いた後、或いは、チェックをするときに、
そういった視点で考えていただくと、
請求項に、不要な記載が入っていたり、
本質からずれた記載となっていることにも気付くかもしれませんね。
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こんにちは。田村良介です。
先日、知財部のご担当の方から、
『開発者から発明のヒアリングをするときに、
何か気を付けていることはありますか?』
というご質問を受けました。
人それぞれ違うとは思いますので、
これが正解ではないかもしれませんが、
私は、主に2つのことに気を付けています。
1つは、開発者の方からお伺いした内容が、
特許が認められる可能性の低いと思われるもので
あったとしても一方的に否定しない、ということ。
特許が認められる可能性が低いと思われる場合は、
『〇〇ような観点で工夫を追加していただくと、
特許が認められる可能性も高くなります。
このような工夫、考えられませんか?』
といったお話をさせていただきます。
いただいたアイデアを一方的に否定をしてしまうと、
開発者の方にせっかくご提案をいただいたのに、
「特許は難しいものだ」という印象を与え、
今後、ご提案をしていただけなくなるかもしれません。
できるだけ次につながるように、
心がけたいと思っています。
もう1つは、
『なぜ、その工夫をすると、優れた効果が発揮されるのか』
を突き詰めること。
優れた効果が発揮される理由、原理を、
開発者の方からお伺いすることで、
発明の本質的な要素は何かを、特定していきます。
開発されたご本人も、優れた効果が発揮される理由を
うまく言語化できていない場合もありますから、
『この場合は、どうなりますか』
『ここは、なぜ、このようになるのですか』
『ここは、〇〇という理由で、こうなるのですか』
みたいに、切り口を変えながら、
頭の中で『なぜ』を繰り返しながら、
質問をしていくと、よいかもしれません。
そのように繰り返していくと、
Aという工夫をすると、Bという理由で、
Cのような現象が起こり、Dという結果になる、
みたいな1つのストーリーができあがり、
発明の本質的要素を、請求項として記載するための
材料が集まってきます。
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こんにちは。田村良介です。
突然なのですが、スポーツの練習って、
いつも実戦形式の練習をするわけではなく、
基礎的な練習の方が多いですよね。
私、高校と大学でラグビー部に所属していたのですが、
実戦形式の練習が毎日あるわけでもなく、
基礎的な練習の時間の方が、実戦形式のものよりも、
圧倒的に長かったような気がします。
あまり野球には詳しくないのですが、
プロ野球の選手も、
ピッチャーが投げたボールを打つ練習もしているかと
思いますが、素振りやトスバッティングもしています。
スポーツは、複数の要素がからみあって、
それが結果としてあらわれます。
例えば、バッティングであれば、
無駄のないフォームでバットを振るという要素と、
投手の心理を読んで、ボールのコースを読むという要素と、
があるかもしれません。
練習の際は、これらの要素を一緒に練習するよりも、
それぞれの要素ごとに練習した方が、
はるかに練習の効果が高くなるように思います。
そういった理由から、プロ野球の選手も、
素振りやトスバッティングをするのではないでしょうか。
実は、請求項を書くというスキルについても、
同じことが言えるのではないかと思っています。
請求項を書くというスキルは、
発明の本質的な部分がどこにあるのかを捉えるという要素と、
発明の本質的な部分を、文章で適切に表現するという要素と
から成り立っています。
そこで、今日は、文章で適切に表現するための
練習方法をご紹介します。
まずは、お手本となる請求項を1つ用意します。
このお手本となる請求項をじっくり読んで、内容を把握します。
次に、お手本を見ないようにして、
自分で、この請求項の再現を試みます。
できあがったら、お手本と、再現したものを見比べてみます。
これを何度も繰り返します。
この練習をすると、請求項を書く際に、
どの順番で、何を書けば良いのか、
どのような表現を用いれば良いのかなど、
請求項を書く際のルールを学ぶことができます。
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