特許を通して貴社の事業発展をサポートします

当所所属弁理士の一覧を更新しました。
「弁理士紹介」

こんにちは。田村良介です。


以前、『ビジネスモデル特許』という言葉が、
大手新聞社の紙面によく登場していた時期がありました。


特許庁によれば、2000年にビジネス関連発明の出願件数は急増し、

その後、減少傾向にあり、2014年は約7,000件だったようです。


ビジネスモデル特許という言葉が誤解を生みやすいのですが、

ビジネスモデルそのものは、特許にはなりません。


特許で、保護されるのは「発明」なのですが、
ビジネスモデルは、自然法則を利用したものではなく、

「発明」ではない、と考えられるためです。


例えば、ピザの宅配で30分以内にピザを配達しなければ無料にする、

というビジネスモデルは特許の対象とはなりません。



ですが、そのビジネスモデルをよりよく実行するための
技術的な工夫であれば、特許になり得ます。


例えば、少ない人数で宅配を効率的に行うための
移動経路を検索するソフトウェアを開発すれば、

特許が認められるかもしれません。


このように、ビジネスモデル特許の多くは、
ビジネス分野でソフトウェアを利用したものです。


さて、ソフトウェアの特許ですが、

人が行っている業務をコンピュータが実行するだけでは、

進歩性がないと判断されて、特許が認められません。



では、どうするか? なのですが、

ソフトウェア特許の請求項は、
簡単に言うと、3つの構成からなっています。

 入力、演算、出力


この入力、演算、出力のどこかに工夫があれば、
進歩性が認められやすくなります。


例えば、

「入力」の工夫で、少ない操作で入力できる
「演算」の工夫で、CPUの負荷が小さくなる
「出力」の工夫で、ディスプレイの情報が見やすくなる

などです。


そういった視点でみていただくと、

今まで特許にするのが難しい、と考えていたものでも、

特許になるものが、あるかもしれません。


もちろん、このような技術的な工夫で特許が認められたとしても、

ビジネスモデルそのものは保護できませんが、

それでも、他社に対する優位性は確保できるのではないか
と思います。



◆今日のポイント◆
└───────────────────

 ☆ビジネスモデルそのものは特許で保護できなくても、

  ビジネスモデルをよりよく実行するための工夫で特許を取得できれば、

  他社に対する優位性を確保できる。


 ☆入力、演算、出力の工夫が、特許性を主張するためのポイントになる。


————————————————————————————–
■当メールマガジンについて

※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
 ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
 すべてが絶対的に正しいとは、考えておりません。

 予めご了承いただいたうえで、お読みください。

■メールマガジン「役に立つ特許実務者マニュアル」は
 著作権により保護されています。

————————————————————————————–

こんにちは。田村良介です。


先日、自宅で、突然強い痛みに襲われました。

「痛っ!」

ふと見ると、レゴブロックを踏んでしまったようです。
足の親指の裏側が、痛い・・・。


5歳の息子がいるのですが、ブロックで遊んだあと、
片づけ忘れたものがあったようです。


ブロックに気が付いていれば、

当然、ブロックを踏むことはありませんし、
痛い思いもしませんでした。


そういえば、「はじめの一歩」という
ボクシング漫画があるのですが、

はじめの一歩でも、

「来ることが分かっているパンチは耐えれるけど、
 意識していないところから来るパンチは、耐えられない」

みたいな話があったような。


それにしても、痛かったです。
今回は、息子のしかけた罠にしてやられました。



特許の世界でも、同じようなことがあるかもしれません。


他社特許のことを把握せずに、
事業を進めていると、手痛いことになりますが、

自社の障害となる他社特許の存在を、
問題になる前に、知ることができていれば、

時間をとって、対策をとることができます。


対策としては、

・異議申立てや無効審判などで、特許を取消し・無効にする

・製品の設計・仕様を変更する

・ライセンスを受ける・特許権を買い取る

・クロスライセンスをする

・先使用権を主張する

・事業を中止する

などが、あげられそうです。



障害となりうる特許の存在がわかっていれば、

特許を無効にするための文献を探す時間もとれますし、

製品の設計を変更するにしても、
時間をかけて検討することができます。


来ることが分かっているパンチは耐えることができますので、

まずは、

障害となりうる特許を把握することが重要
と言えるかもしれません。


◆今日のポイント◆
└───────────────────

 ☆来ることが分かっているパンチは耐えることができる。

  まずは、自社にとって障害となりうる特許を把握する
  ことが重要。


————————————————————————————–
■当メールマガジンについて

※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
 ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
 すべてが絶対的に正しいとは、考えておりません。

 予めご了承いただいたうえで、お読みください。

■メールマガジン「役に立つ特許実務者マニュアル」は
 著作権により保護されています。

————————————————————————————–

こんにちは。田村良介です。


前回、ジャパネットたかたの高田明さんの
著書「伝えることから始めよう」(東洋経済新報社)について、
ご紹介をさせていただきました。


この本では、

高田社長が「伝わるコミュニケーション」について、
語っていらっしゃいます。


高田社長が、家電を紹介することで、
その家電がたくさん売れていく理由を垣間見ることができます。


印象に残ったのは、

『伝えたいのには理由があります。
 その理由に曇りがあると、伝えたいことは伝わらない。』

『私は「ただ伝えるのではなく、伝わるようにしないといけない」
 といつも思っています。
 そのために大切なのは、やはりパッション、情熱ですよ。』

『私が何よりも心掛けてきたのは、
 上手くではなく、わかりやすく伝えることです』

『「何を伝えたいのか」を明確に意識することが、とても大切です』

などなど、

ご紹介したいメッセージは、まだまだあります。



話と文章の違いはあるものの、

私たちの仕事でも「伝えること」「伝わること」は必須ですので、
参考になる部分が多々ありました。



わかりやすく伝える、ということに関してですが、

一つ一つの文ごとに、何を伝えたいのかが明確に意識されていなければ、

読み手に伝わる、わかりやすい文章にはなりません。



そして、
何を伝えたいのかが明確に意識できていない場合、

実は、伝えたいことについての整理・理解が、
不十分な場合が多いのではないかと思っています。



伝えたいことについて、
しっかりと理解できていなければ、

わかりやすい表現で説明をすることはできません。


専門用語ばかりで、わかりにくい文章というのは、
実は、文章を書く前で決まっていて、

伝えたいことへの理解、本質の把握が不十分だから、
専門用語を使わないと説明できなくなる、

ということではないかと。


私もそうなのですが、
分かりやすい文章になっていない場合は、

理解しているつもりで、
理解できていないことが、多々あります。



同じことを伝える場合であっても、

専門用語を使った説明もできれば、
専門用語を使わずに説明することもできる、

といったように、読み手によって、
表現を変えることができるのが理想だと思います。



明細書にしても、意見書にしても、
分かりやすく書けていない場合は、

文章を修正する前に、一歩立ち返って、

伝えたいことについて十分な理解できているか、
振り返ってみると、良いかもしれません。



えーと、

このメールマガジンがわかりやすいかどうかは、
あまり追及しないでくださいね(笑)


◆今日のポイント◆
└───────────────────

 ☆一つ一つの文ごとに、「何を伝えたいのか」を
  明確に意識することで、わかりやすい文章になる。

 ☆伝えたいことについての整理・理解が不十分だと、
  何を伝えたいのかを明確に意識することができない。
  
  まずは、伝えたいことの整理・理解から始める。

————————————————————————————–
■当メールマガジンについて

※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
 ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
 すべてが絶対的に正しいとは、考えておりません。

 予めご了承いただいたうえで、お読みください。

■メールマガジン「役に立つ特許実務者マニュアル」は
 著作権により保護されています。

————————————————————————————–

こんにちは。田村良介です。


最近、高田明さんの「伝えることから始めよう」
(東洋経済新報社)を読んでいます。

「ジャパネットたかた」の高田 前社長、
といった方が分かりやすいかもしれません。


未だ途中ですが、すごく面白いです。


この本を読むと、

高田社長が、年商3億円ほどのカメラ店を、
年商1700億円の通販企業にまで
成長させることができたのも、納得できます。


印象に残っているメッセージとして、

『目の前のことを一生懸命にやっていれば、
 自然と次の課題が見えてくる』

『課題ができると、不思議なことに、
 それを達成するためのアイデアが生まれてきます』

『できない理由を考えるのではなくて、
 どうしたらできるか考えて、
 できることはなんでもチャレンジしたんです』

など。


佐世保で、観光写真を販売していたときは、

夜に宴会場で写真撮影をし、深夜に現像し、
朝に旅館まで行き、写真を販売する。

忙しくて、朝に写真が間に合わなければ、
団体の旅行客のフェリーの到着先(大阪、神戸)まで、
パートさんが電車で先回りをする、

といったエピソードが書かれています。


佐世保から大阪まで電車で先回りって、凄くないですか?


まさに、

「どうしたらできるか考えて、できることはなんでもチャレンジ」

の精神ですね。



さて、今日の本題です。

特許庁から届いた拒絶理由通知について、

引用文献の内容が、
特許を受けようとする発明にあまりにも近くて、
対応に困ることがあります。


正直、「特許にするのは難しいかも」と思うこともあります。


ただ、そんな場合でも、あきらめずに、

 審査官の主張におかしな点はないか?
 何か反論できることはないか?

と必死に考えます。


拒絶理由の内容が厳しくても、
できる限りのことをするわけです。


そうやって、

あきらめずに粘って粘って考えていると、

ふと、審査官に反論できそうなアイデアが
頭の中に、降りてくることがあります。


意見書を提出して、数か月後、
忘れたころに、結果は、やってきます。


そうすると、「この案件はさすがに厳しいだろう」
と思っていたものでも、

意外と、特許査定がだされることがあります。


「え、あれ、特許になったの?」という感じです。


とは言っても、やはり特許にできないこともあるわけですが、

それでも、それはごく一部です。


請求項の範囲をガチガチに狭く限定しなくても、

拒絶理由の内容を的確に把握し、
その発明の本質的な部分を理解し、

そのうえで、必死に考えつくすと、

「これは厳しい」と思われる場合でも、

審査官の判断をくつがえすことができる場合があります。



この仕事をしていると、

ついつい、「これでは特許にならない」などと
すぐに判断をしてしまうことがあるのですが、

このような事例に出会うたびに、

特許にならないと判断するのは、審査官の仕事であり、

特許出願の代理人である弁理士の仕事は、
どうすれば、特許が認められるのかを考えること、

ということを、考えさせられます。


高田社長の「どうしたらできるか考えて」の
精神にならい、

「どうしたら特許にできるかを考える」姿勢を
忘れないようにしたいです。


◆今日のポイント◆
└───────────────────

 ☆簡単にあきらめずに、
  『どうしたら特許にできるか?』
  を考えつくす姿勢をもつ



————————————————————————————–
■当メールマガジンについて

※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
 ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
 すべてが絶対的に正しいとは、考えておりません。

 予めご了承いただいたうえで、お読みください。

■メールマガジン「役に立つ特許実務者マニュアル」は
 著作権により保護されています。

————————————————————————————–

次のページ

前のページ

↑トップへ

Top