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ビジネスモデル特許の基礎知識

ビジネスモデル特許とは?

1.ビジネスモデル特許とは?

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『新しいビジネスモデルを考えついた! このビジネスモデルについて特許を取得して、誰にも邪魔されずに、事業を有利に進めたい。』

 

本ページをご覧いただいているということは、このようにお考えになっているのではないでしょうか。

 

ビジネスモデル特許を取得して、他社に邪魔されずに、また、他社よりも有利にビジネスを進められると、安心して事業を運営できますよね。他社とも差別化ができますから、収益性もきっと高くなることでしょう。

 

本ページでは、ビジネスモデル特許とは何かについて、ご説明します。

本ページをご覧いただくことで、ビジネスモデル特許は何かをご理解いただくだけでなく、ビジネスモデル特許でできること、できないことを把握していただいたうえで、どのようにビジネスモデル特許を活用していけるのかについて、ご理解いただけるかと思います。

 

 

 

さて、ビジネスモデル特許とは、いったいどういうものを指すのでしょうか。

 

実は、今までにない新しいビジネスの方法(つまり、ビジネスモデル)を考え付いたとしても、ビジネスモデルそのものについて、特許を取得することはできません。

 

「ビジネスモデル特許」という用語を見て、ビジネスモデルそのものが特許になると勘違いされている方もいらっしゃいます。

 

特許法では、発明を『自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの』と定義しています。もう少し分かりやすく言うと、発明は、『技術についての工夫』ということができます。

 

ですから、新しいビジネスモデルでも、技術についての工夫がなければ、特許法上の発明ではないと、判断されます。より専門的な表現をすると、ビジネスモデルそのものは、人為的な取り決めであり、自然法則を利用したものではないので、特許法上の発明ではない、ということになります。

 

そのため、新しいビジネスモデルを自社だけで独占することはできません。ジネスモデルそのものを特許にしてしまうと、特許を所有している会社がそのビジネスモデルを独占してしまうことになり、産業を活性化するどころか、産業の発展を阻害してしまうおそれがあるからです。

 

 

それでは、ビジネスモデル特許とは何なのでしょうか。

 

ビジネスモデル特許とは、そのビジネスモデルを実施する際の技術的な工夫についての特許です。ビジネスモデル特許を取得することで、同じビジネスモデルを実施する他社に対して、優位性をもってビジネスを進めることができます。

 

例えば、ピザの宅配ビジネスで、注文をしてから30分以内に届けられなければ、ピザを無料にする、というビジネスモデルそのものは、特許にはなりません。

 

ですから、ピザの宅配についてのビジネスモデルを自社だけで独占して実施することはできません。

 

ですが、例えば、ピザを効率的に配達するために、どの配達先にどの順番で配達するかを計算できるソフトウェアであれば、特許になる可能性はあります。

 

つまり、ビジネスモデルを実行するための技術的な工夫、特に多いのが情報技術(IT)を活用した工夫が、ビジネスモデル特許の対象となるわけです。

 

 

もしかすると、『ビジネスモデルが独占できないのであれば、特許を取得する意味はないのでは?』と思われるかもしれません。

 

でも、そうではありません。こうした技術についての工夫で特許を取得することができれば、他社が同じようなビジネスを始めたとしても、このソフトウェアを他社は利用できないわけですから、その分だけ、自社は他社よりも優位にビジネスを運営していくことができます。

 

 

まとめ

ビジネスモデル特許で、ビジネスモデルそのものを独占して実施することはできません。ただし、そのビジネスモデルを実施するうえでの技術的な工夫(特に、情報技術を活用した工夫)を特許として取得することができれば、他社よりも優位な立場で、事業運営することができます。

2.ビジネスモデル特許を取得するメリット

(1)他社に対して優位性をもってビジネスを展開

ビジネスモデル特許を取得することで、他社に対して優位性をもってビジネスを展開することができます。

 

仮に、他社が同じビジネスモデルで参入してきたとしても、自社のビジネスモデル特許と同じことを実施することはできません。そのため、自社と他社では、お客様へ提供するサービスの質が変わってくるかもしれませんし、お客様の満足度も変わってくるかもしれません。また、自社と他社とで同じサービスを提供する場合であっても、自社の方が、より少ない人数で、短時間で、同じクオリティのサービスを提供することができるかもしれません。

 

その結果、ライバル企業と比較しても、売上にも差がつくでしょうし、収益性にも差がつくでしょう。収益に差がでれば、その分、自社のマーケットでの認知度を向上させるために多くの広告費用を使うことができますし、自社のサービスをよりブラッシュアップするための投資を行うこともできます。新しいサービスの開発に投資することもできます。

 

ライバル企業が使いたくても使えない、有効なビジネスモデル特許を取得することで、ライバル企業に対して、優位性をもってビジネスを進めていくことができるわけです。

 

一度、特許権が発生すれば、特許を出願した日から20年が経過するまで、特許権を維持することも可能です。約20年近く、他社に対してアドバンテージがあるのは、強力な武器ですよね。

(2)顧客や投資家などへの対外的なアピール

企業のウェブサイトやパンフレットで、「特許出願中」と表示されているのを見たことはありませんでしょうか。特許庁での審査の結果、特許を取得した場合は、「特許第〇〇〇〇〇〇号取得」といった表示をすることもあります。

 

「特許出願中」、「特許第〇〇〇〇〇〇号取得」と表示することで、自社のサービスは、特許を取得することができるほど、独自性があって優れたものであることを、自社の顧客や将来的な顧客候補に対して、アピールすることができます。顧客にとっても、特許出願をしていることが、サービスの提供を受ける際の安心感につながります。

 

また、ビジネスモデル特許の出願をしていることや、ビジネスモデル特許を取得していることは、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルに向けてのアピールにもなります。他社に対して優位な立場で事業を運営できる企業やビジネスだからこそ、投資する価値があると言うことができます。

3.ビジネスモデル特許を出願するデメリット

ビジネスモデル特許を出願するのはメリットばかりではありません。デメリットもあります。それは、特許を出願した場合、出願の日から1年6か月が経過すると、発明の内容が公開されてしまうことです。

 

例えば、特許情報プラットホーム J-PlatPat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)というサイトで検索をすることで、出願された発明の内容を確認することができます。

 

ですから、自社のビジネスモデルは他社に対しても明らかになります。もし、自社の出願について特許が認められなかった場合は、自社の発明の内容が明らかになってしまうだけで、他社に対して何の権利も主張できなくなります。その結果、他社にアイデアを奪われてしまうことになります。

 

もちろん、自社サービスをリリースすれば、特許を出願していなくても、そのサービスの内容は他社に知られることになりますから、出願の内容が公開されても問題ない、と考えることもできます。しかし、ITを活用したビジネスモデル特許の出願では、サーバでどのような処理が行われているか等を、出願書類に具体的に記載することが一般的ですから、サービスをリリースするだけでは伝わらない情報が、他社の知るところとなってしまう可能性もあります。

 

他社に知られては困るようなノウハウなどは、出願書類に記載しないように、十分に注意を払う必要があります。

4.どのようなアイデアがビジネスモデル特許を取得できるのか?

■新規性・進歩性

上でもご説明したように、ビジネスモデルを実行するための技術的な工夫、特に多いのが情報技術(IT)を活用した工夫が、ビジネスモデル特許の対象となります。

 

ただし、このようなビジネスモデル関連発明について、特許出願をすれば全て、特許が認められるわけではありません。特許出願をしたビジネスモデル関連発明が、ビジネスモデル特許として認められるためには、新規性と、進歩性とを有するものであることが必要となります。

 

それでは新規性とは、一体何でしょうか。

 

新規性とは、これまで世の中になかったものであること、を言います。すでに、世の中に知られてしまったものには、特許は認めらません。雑誌や新聞、インターネットで公開されてしまったビジネス関連発明は、原則として、特許は認められません。

 

ですから、特許出願をする前に、自社のサービスの提供を開始してしまった場合やプレスリリースしてしまった場合は、新規性が失われてしまいます。自社のサービスの内容を公開する前に、特許出願をしなくてはいけません。

 

 

でも、新規性だけではありません。仮に、新規性を有する発明であったとしても、進歩性を有するものでなければ、特許は認められません。それでは、進歩性とは、何でしょうか。

 

進歩性とは、その業界の専門家(当業者と言います)が容易に考えつくことができないこと、を言います。ただ、どのようなものが容易に考えつくことができ、どのようなものが容易に考えつくことができないものであるかの判断は、非常に難しいもので、専門家でも判断が分かれる場合があります。

 

そこで、以下では、ビジネスモデルについてのアイデアが進歩性を有するか、つまり特許が認められるかどうかを検討するための視点を、いくつかご紹介したいと思います。

例1)人の手作業をコンピュータで自動化した場合

今まで人が手作業でやっていたことを、コンピュータで自動的に行うようにした場合は、どうでしょうか。

例えば、従来は、人が卓上の電子計算機を利用して計算をし、その計算の結果を書類に手書きで記入していたことを、コンピュータで自動的に実施できるようにしたとします。

 

残念ながら、このように、人が手作業で行っていることをコンピュータに実行させただけの場合は、進歩性が認められる可能性はほとんどないと思われます。

例2)他の業界で利用されている技術

それでは、他の業界で行っていることを、自社の業界で行うようにした場合はどうでしょうか。

 

例えば、求人採用の業界において、求人に応募する方の属性と、それぞれの企業が応募者に求める基準とをもとに、それぞれ企業にあった方を自動的にピックアップするようなマッチングシステムが存在していたとします。

 

この求人採用のマッチングシステムを、派遣業界用のマッチングシステムに転用したものは、ビジネスモデル特許として進歩性が認められるでしょうか。

例えば、派遣される方の属性と、派遣を受ける企業が派遣される方に求める基準とをもとに、企業にあった方を自動的にピックアップするようなマッチングシステムを発明した場合です。

 

 

残念ながら、この例で挙げたように、ある業界で利用されているシステムを、単に、別の業界に転用したような発明については、進歩性は認められません。

 

では、どうすれば、ビジネスモデル関連発明の進歩性は、認められるのでしょうか。

 

例えば、上記のような場合、求人採用のマッチングシステムでは必要とされないけれど、派遣用のマッチングシステムだからこそ必要になるような工夫はないでしょうか。派遣用のマッチングシステムだからこそ必要になるような機能やプログラムの処理があれば、審査においても、進歩性が認められる可能性がでてきます。

 

つまり、他の業界で同じようなシステムやプログラムが存在する場合でも、その用途や業界だからこそ必要になるような技術的な工夫があれば、新規性、進歩性が共に認められる可能性がでてきます。

■入力・演算・出力についての工夫

ビジネスモデル特許は、多くの場合、ビジネスモデルを実行するためのIT技術についての工夫であることをご説明しました。

 

ところで、コンピュータプログラムは、通常、入力・演算・出力の3つの要素から構成されています。つまり、コンピュータは、入力されたデータをもとに、所定の演算が行われ、その結果が画面や音声として出力するものです。この入力・演算・出力の3つの要素のうちのいずれかの要素についての工夫があれば、進歩性が認められる可能性があります。

 

例えば、演算に用いるデータ(入力されるデータ)を工夫することで、従来は得られなかったような演算の結果、つまり出力が得られるのであれば、それは「入力」についての工夫となります。ECサイトで、ユーザの属性や購入履歴だけでなく、ユーザがログインしている時間帯やユーザ端末の位置情報をもとに商品のレコメンドを行うようなシステムを考えついた場合、この時間帯や位置情報という「入力」の工夫により、レコメンドされる商品という「出力」が、よりユーザに適したものとなります。

 

また、表示画面に多数の情報を表示する場合でも、その情報の配置や見せ方等を工夫することで、ユーザが見づらくならないように多数の情報を表示画面に表示できれば、それは出力の工夫となります。

 

自社のサービスやビジネスモデルを実行する際に、ITを活用した入力・演算・出力についての工夫があれば、ビジネスモデル特許を取得することを、検討していただくとよいかもしれません。

5.ビジネスモデル特許を取得するための手続き(出願から特許を取得するまでの流れ、期間)

上でもご説明したように、ビジネスモデルを実行するための技術的な工夫、特に多いのが情報技術(IT)を活用した工夫が、ビジネスモデル特許の対象となります。

 

ビジネスモデル特許の出願も、その他の分野の出願も、出願から特許を取得するまでの流れは同じです。

 

特許権を取得するためには、特許庁にて審査を受ける必要があります。特許出願をするだけでは審査は開始されません。審査を受けるためには、特許庁に対して出願審査請求という手続きをとる必要があります。出願審査請求は、特許出願の日から3年以内に行わなければいけません。特許出願の日から3年以内に出願審査請求を行わない場合は、特許を取得することができなくなります。

 

出願審査請求をすると、特許庁にて審査が行われます。ただし、すぐに審査が開始されるわけではありません。多くの場合、出願審査請求をしてから約1年~1年半が経過すると、審査の結果が通知されることになります。

 

審査の結果、特許にすることが認められた場合は、特許査定という通知が届きます。一方、審査の結果、特許にすることができないと判断された場合は、拒絶理由通知という通知が届きます。拒絶理由通知では、出願した発明について、新規性・進歩性を有しない、といった拒絶理由が通知されます。

 

拒絶理由通知に対しては、通知が届いた日から60日以内に、意見書・手続補正書を提出することができます。例えば、手続補正書を提出することで、審査の対象となっている発明の内容を変更することができます。特許を受けようとする発明の内容を変更することで、特許が認められるようになる場合があります。

また、意見書では、その発明が拒絶理由を有するものではないことを説明することができます。例えば、審査官の判断の一部に誤りがある場合は、その誤りについて説明をすることができます。

 

特許庁に意見書・手続補正書を提出すると、再度、審査が行われます。早ければ、意見書・手続補正書を提出してから2~3か月で、その結果が届きます。意見書・手続補正書を提出した結果、拒絶理由が解消したと判断された場合は、特許査定が届きます。そうでない場合は、再度、拒絶理由通知が届くか、或いは、拒絶査定という通知が届きます。

 

再度、拒絶理由通知が届いた場合にも、意見書・手続補正書を提出することができます。

拒絶査定が届いた場合は、審査では特許が認められなかった、ということになります。拒絶査定に対しては、拒絶査定不服審判を請求することができます。拒絶査定不服審判では、審査官とは異なる審判官3名により、特許を認められるべきかについての審理が行われます。

 

特許査定が届くと、30日以内に、特許庁に3年分の特許料を納付する必要があります。特許料を納付すると、特許が登録され、ビジネスモデル特許についての特許権が発生します。

 

特許権は、出願の日から20年まで存続させることができます。これは、ビジネスモデル特許もその他の分野の特許も変わりはありません。特許査定が出された後に3年分の特許料を支払いますが、4年目以降の特許料についても、継続して支払いを行うことで、出願の日から20年が経過するまで、特許権を維持することができます。

<まとめ>

特許出願をしてから3年以内に、出願審査請求をすることができます。

多くのケースでは、出願審査請求をしてから、1年~1年半くらいで審査の結果が通知されます。

特許査定がだされると、30日以内に特許料を納付することで、特許権が発生します。

 

早ければ、特許出願をしてから1年以内に、ビジネスモデル特許を取得することが可能ですが、特許出願をしてから特許を取得するまでに、4~5年かかる場合もあります。

6.ビジネスモデル特許を取得するための費用は?

ビジネスモデル特許を取得するための費用と、その他の分野の特許を取得するための費用とで、大きく変わるわけではありません。

 

ただし、特許事務所に依頼する場合と、特許事務所に依頼をせずに、自社或いはご自身で手続きを行う場合とでは、かかる費用は大きく異なります。

 

特許事務所に依頼しない場合は、特許出願をする際に14,000円の特許印紙が必要となり、出願審査請求をする際に、138,000円+請求項×4000円の特許印紙が必要となります。

審査の結果、特許査定が届いた場合は、3年分の特許料として、6300+請求項×600円の特許印紙が必要です。

ですから、合計で少なくとも162,900円が必要となります。

 

特許事務所に依頼する場合は、上記の特許印紙代の他に、特許事務所の手数料が発生します。

 

特許印紙の費用を含め、特許出願をする際に約35~45万円、出願審査請求をする際に約16~19万円、拒絶理由通知へ対応する際に約10~18万円、特許料を納付する際に約12~18万円が必要となります。

ビジネスモデル特許を1件取得するまで、少なくとも80~100万円程度が必要です。

 

ビジネスモデル特許を取得するための費用について、下記ページから詳細をご確認ください。

ビジネスモデル特許を取得するための費用は?

7.ビジネスモデル特許を取得した後、同じことをしている他社を見つけた場合は?

特許庁での審査の結果、特許にしてもよいと認められると、特許料を納付すれば、特許権が発生します。

 

特許権は、その発明を独占的に実施することができる権利です。

 

もし、他社が、自社のビジネスモデル特許と同じことを実施していることを発見した場合は、損害賠償請求や差止請求などの訴えを裁判所に提起することができます。損害賠償請求は、特許権を侵害されたことによる損害の賠償を求めるもので、差止請求は、他社に対して、特許権を侵害する行為の禁止を求めるものです。

 

ただ、損害賠償請求や差止請求などの訴えを裁判所に提起する場合、その費用も高額となります。数百万円~数千万円の費用が発生することもあります。

 

ですから、他社が、自社のビジネスモデル特許と同じことを実施していることを発見した場合でも、いきなり訴訟を提起することは、あまりありません。

 

多くの場合、まずは、相手方に対して、自社のビジネスモデル特許について特許権を侵害しているので、実施を中止するように相手方に促す警告状を送付します。このような警告状を送付することで、相手方が、特許権を侵害する行為を中止することもあります。

もちろん、相手方にも言い分がありますので、警告をしても、相手方から、特許権を侵害していないと回答が返ってくる場合もあります。相手方とやりとりをしたうえで、お互いの主張が平行線をたどるような場合は訴訟を提起する、ということになります。

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