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ビジネスモデル特許の知識

ビジネスモデル特許の出願、弁理士と特許事務所の選び方

ビジネスモデル特許を出願する際に、どの弁理士、どの特許事務所に依頼をするかについて迷うことがあるかと思います。弁理士・特許事務所によって、どのように成果が異なるのか、弁理士・特許事務所をどのような観点から選べばいいのか等について、ご説明いたします。

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1.弁理士と言っても、それぞれ得意、不得意がある

お医者さんに、内科医や外科医、歯科医などがあるように、弁護士に、企業法務につよい、交通訴訟につよい、知的財産につよいなどがあるように、弁理士にも得意、不得意があります。

 

化学系が得意な弁理士もいれば、機械系に得意な弁理士もいます。ビジネスモデル特許やソフトウェア特許が得意な弁理士もいます。

ですから、ビジネスモデル特許の取得を目指すのであれば、ビジネスモデル特許について、経験のある弁理士、特許事務所に依頼する必要があります。

 

また、同じ歯科医であっても、経験も豊かで、適切な判断、処置ができる歯科医と、まだまだ経験の浅い歯科医がいるように、弁理士にも、経験も豊かで、適切な提案・書類作成ができる方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。

 

ですから、知り合いの紹介だから、よく知っている人だから、という理由だけで、弁理士や特許事務所を選ぶと失敗することがあります。

2.請求項や明細書の記載の仕方は、人によって異なる

特許出願の際には、「特許請求の範囲」という書類を準備する必要があります。「特許請求の範囲」には、特許が認められた際の権利範囲を示す「請求項」を記載します。請求項は、権利範囲を示すものですから、きわめて重要なものです。

 

実は、同じ発明であっても、弁理士が違えば、請求項のできあがりも、大きく異なります。

 

例として、転がりやすい円柱状の鉛筆しか存在しなかった場合に、転がりにくい鉛筆として、六角柱状の鉛筆を発明した場合を考えてみます。

請求項の記載があまり上手でない人は、実際の製品の内容にひきずられて請求項を書いてしまいます。例えば、見たままの『六角柱状の鉛筆』と、請求項を記載します。

 

一方、請求項の記載が上手な人は、『六角柱状の鉛筆』とは書きません。六角柱状の鉛筆が転がりにくいのはなぜか? を突き詰めて考えます。その結果、五角柱や七角柱などでも転がりにくいことに気が付き、請求項として『多角柱状の鉛筆』と記載します。

 

このように、請求項を記載するのが得意な人は、発明の本質的な要素を掴むことができ、権利範囲を必要以上に狭めることなく、請求項を記載することができます。

 

これだけではありません。請求項の記載が上手でない人は、請求項の中に、不要な用語がふくまれていることもあります。不要な用語が含まれていると、特許が認められたとしても、必要以上に権利範囲が狭くなってしまうことがあります。

 

明細書も同様に、上手下手があります。特許庁での審査の結果、拒絶理由が通知されても十分に対応できるように記載されたものもあれば、そうでないものもあります。

3.拒絶理由通知への対応方法も、人によって異なる

特許庁にて審査を受けると、多くの場合、発明が新規性や進歩性を有しないなどの拒絶理由が通知されます。この拒絶理由通知への対応の質も、弁理士によって大きく異なります。

 

同じ拒絶理由通知でも、意見書で主張する内容や意見書の書き方の上手下手で、特許になるか特許にならないかは変わってきます。

また、権利範囲をできるだけ狭くせずに特許にできる方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。同じ発明であっても、誰が拒絶理由通知へ対応するかによって、権利範囲の広さも変わるでしょう。

ですから、ビジネスモデル特許を取得できたとしても、競合他社に対して優位にビジネスを進めていくことができるような特許になることもあれば、競合他社に対してあまりけん制とならないような特許になる場合もあります。

 

自社のビジネスモデルのことを十分に理解し、競合他社に対して優位にビジネスを進めていくことができるような権利範囲は何かを検討したうえで、拒絶理由通知に対応してくれるような弁理士、特許事務所に依頼することが理想的です。

4.価格や件数だけで選んではいけない

以上のように、同じ弁理士であっても、人によって仕事の質は大きく異なります。

 

多くの企業は、自社の技術を保護して、他社に模倣されないように特許を取得することを目的としています。仮に、特許を取得するまでのトータルの費用が10~20万円違ったとしても、より有効な特許権を取得すれば、多くの場合、そのビジネスモデル特許は、費用以上の価値を生み出すはずです。

 

ですから、価格だけで判断するのではなく、自社にとって、より有効なビジネスモデル特許を取得できる可能性のある弁理士、特許事務所であるか、という観点で選ぶ必要があります。

 

また、出願件数が多いからと実績だけで判断するのも、避けた方がよいかもしれません。もちろん、経験が豊富な方が良いのですが、出願件数が多いのと、仕事の質が高いのは、別の話です。

5.弁理士と特許事務所の選び方

それでは、ビジネスモデル特許を出願するにあたって、どのような観点で弁理士、特許事務所を選べば良いでしょうか。

 

弁理士、特許事務所を探す方法としては、例えば、知人、知人からの紹介、インターネットの検索などがあげられます。それらの中で、複数の弁理士に実際に会って、話を聴いてみることをお勧めいたします。

 

そして、以下の点を比較してみてください。

 

  • 自社のビジネスモデルやソフトウェアなどについて説明した後に、説明したことを十分に理解しているか。
  • 自社のビジネスモデルやソフトウェアなどについて説明した後の弁理士からの質問が、具体的で、的を射たものであるか。
  • こちらからの質問に対して、わかりやすく、あいまいさを残すことなく、回答ができているか。

 

自社のビジネスモデルやソフトウェアなどについての質問が具体的で、的を射たものである場合は、論理的で、緻密に、物事を考えることができる可能性が高いですし、こちらからの質問に対して、わかりやすく、明確な回答ができる人は、わかりやすく、明確な文章を書ける可能性が高いです。

 

特許事務所の仕事は文章を記載する仕事ではありますが、こういった直接のやり取りで、その人の力をある程度測ることができます。

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