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特許の知識

アイデアだけで特許を取得できるか?

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1.アイデアだけで特許を取得できるか?

「アイデアだけで特許を取得できるか?」ですが、アイデアだけで特許を取得できる場合もあれば、アイデアだけでは特許を取得できない場合もあります。

 

ドラえもんの「タケコプター」のように、「頭に取り付けるだけで空を飛ぶことのできる装置を作れば便利だ!」と考えついたとします。ただ、これだけでは、特許を取得することは難しいでしょう。

 

特許を取得するためには、頭に取り付けるだけで空を飛ぶことのできる装置を具体的に実現するために、どのような部品が必要で、それらの部品をどのような位置関係でどのように組み合わせているかなど、装置の具体的な構成が明確になっている必要があります。

 

「〇〇を達成したい」、「〇〇ができれば面白い」という漠然としたアイデアだけでは特許の対象にはなりません。「具体的な装置の構成をこのようにすることで〇〇が達成できる」というところまでアイデア落とし込むことができれば、そのアイデアは特許の対象となり得ます。

 

アイデア段階で、具体的な装置の構成まで特定することができれば、試作品などができていなくても特許出願をすることは可能です。ただし、化学分野の発明については、その発明についての実験データがなければ、特許は認められませんので注意が必要です。

2.アイデアについて特許が認められるための要件

アイデアが特許を認められるための主な要件としては、

  • 発明であること
  • 新規性を有すること
  • 進歩性を有すること

の3つがあげられます。

 

(1)発明であること

 

特許法第2条第1項では、「「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」と規定されています。

 

そして、特許庁の発行する特許・実用新案審査基準の第III部「特許要件」第1章「発明該当性及び産業上の利用可能性」によれば、下記の(i)から(v)までのいずれかの場合は、自然法則を利用したものとはいえず、「発明」に該当しない旨が規定されています。

 

(i) 自然法則以外の法則(例:経済法則)

(ii) 人為的な取決め(例:ゲームのルールそれ自体)

(iii) 数学上の公式

(iv) 人間の精神活動

(v) 上記(i)から(iv)までのみを利用しているもの(例:ビジネスを行う方法それ自体)

 

特許制度は、技術を特許権で保護するものです。ですから、ゲームのルールやビジネスモデルそのものは、特許法上の「発明」ではないということで、特許は認められません。

ただし、ゲームのルールやビジネスモデルを実現するためのソフトウェアに関するものは、特許法上の「発明」であるとして特許の対象になり得ます。

(2)新規性を有すること

新規性とは、発明がこれまで世の中になかったものであること、を言います。

特許法第29条1項では、以下のように記載されています。

 

産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。

 一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明

 二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明

 三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明

   又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明

 

特許出願よりも前に、世の中に知られてしまった発明や、世の中で実施された発明は、新規性を有しないとして、特許は認めらません。

 

ですから、特許出願をするよりも前に、特許を取得したいと考えているアイデアを、第三者である誰かに話をしたり、書籍やインターネットで公開した場合は、新規性が失われます。新しいアイデアを思いついたら、ついつい誰かに話をしたくなるかと思いますが、特許出願が完了するまでは我慢をしてください。

 

また、特許出願をする前に、そのアイデアについて誰かに話をしてしまった場合は、それを聴いた人が別の人に話をしてしまったり、もっとひどい場合は、それを聴いた人が先に特許出願をしてしまう可能性もあります。ですから、無用のトラブルを避けるためにも、アイデアを軽々しく人に話さないようにしましょう。

(3)進歩性を有すること

また、仮に、新規性を有する発明であったとしても、進歩性を有する発明でなければ、特許は認められません。

 

特許法第29条2項では、進歩性について、以下のように記載されています。

 

特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。

 

つまり、すでに世の中で知られた発明等に基づいて、その業界の知識を有する人(当業者といいます)が、容易に発明をすることができたと判断される場合は、進歩性が否定されます。

 

アイデアが特許として認められるための最も高いハードルが、「進歩性を有すること」という要件です。

 

例えば、人が手作業で行っている計算をコンピュータで行うようにした場合、他の分野で行っていることを別の分野で行うようにした場合、すでに世の中にあるものを単に組み合わせたような場合などは、当業者が容易に発明を考えつくことができるとして、進歩性がないと判断されます。

 

ただし、進歩性を有するものであるかは、専門家でも判断が分かれることがあり、簡単に判断できるものではありませんので、できるだけ弁理士などの専門家に相談してみてください。

3.アイデアが特許を認められるものかを、どのように調べるか?

「新しいアイデアを思いついた!」、「他社が同じようなアイデアについて特許を出願しているのか知りたい」などの場合に、独立行政法人 工業所有権情報・研修館が運営するJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)を利用して、そのアイデアと類似のものが存在するかを調べることができます。

 

まず、特許情報プラットフォームJ-PlatPatの特許・実用新案検索のページを開きます。

 

特許・実用新案検索のページにおいて、「検索項目」の欄について、複数の項目の中から「請求の範囲」を選択します。

 

 

 

「検索項目」として、「全文」や「明細書」を選択することもできます。「検索項目」として「全文」や「明細書」を選択した方が漏れのない検索ができる可能性が高いですが、検索の結果、抽出される文献の数が非常に多くなり、目的とする内容とはかけ離れた文献も多く抽出されることになります。

 

「検索項目」を選択した後、その右側にある「キーワード」の欄に、検索キーワードを入力します。そして、最後に、青色で表示された「検索」ボタンを選択します。検索結果が表示されると、青色に表示された文献番号を選択することで、文献の内容を確認することができます。

 

 

思い付いたアイデアと同じような特許がなければ、新規性・進歩性を有するものであると認められる可能性は高くなります。一方、思い付いたアイデアと同じような特許が存在する場合は、新規性・進歩性を有しないと判断される可能性は高くなるかもしれません。

4.アイデアをどのようにブラッシュアップするか?

類似の商品や特許が存在する場合、どのようにアイデアをブラッシュアップすればよいでしょうか。

 

例えば、タケコプターのように「頭に取り付けるだけで空を飛ぶことのできる装置」を具体的に実現するためには、装置を頭に取り付けるための取付け部、プロペラ、プロペラを回転させるモーター、モーターを駆動するためのバッテリーなどが必要ですが、それ以外にも、問題は山積みです。

 

例えば、この装置を頭に取り付けて空を飛んだ場合、首から下の全体重が首にかかることになります。普通に考えれば、1分と空を飛んでいられないはず。この問題をどのような工夫で解決するのか?

 

この装置を頭に取り付けて空を飛んだ場合、何らかのトラブルで頭から装置が外れてしまうと、重大な事故につながります。この問題をどのような工夫で解決するのか?

 

或いは、空を飛んでいる途中でバッテリーが切れてしまうと、これも重大な事故につながります。この問題をどのような工夫で解決するのか。

 

その他にも、様々な問題があるはずです。

このように、アイデアを製品やサービスとして具体的に実現しようと考えると、様々な課題がでてきます。このような課題を解決するために、どのように工夫をすればよいかを考えていくと、アイデアがブラッシュアップされていきます。

 

そして、ブラッシュアップされたアイデアであれば、進歩性を有するものであるとして、特許が認められるものとなっているでしょう。

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