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特許の知識

最後の拒絶理由通知とは?

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1.最後の拒絶理由通知とは?

特許出願をしてから3年を経過するまでに出願審査請求をすると、審査が開始されます。審査の結果、特許にすることができないと判断された場合は、拒絶理由通知が届きます。

 

この拒絶理由通知には、2種類あります。通常の「拒絶理由通知」と、「最後の拒絶理由通知」です。

 

この「最後の拒絶理由通知」とは、何なのでしょうか。

 

「最後の拒絶理由通知」とは、最初の拒絶理由通知の応答時の補正によって通知することが必要となった拒絶理由のみを通知する拒絶理由通知である、と定義されています。

特許出願をして、初めて拒絶理由通知が届いた場合は、当然、最後の拒絶理由通知ではなく、通常の拒絶理由通知となります。では、2度目の拒絶理由通知であれば、すべて最後の拒絶理由通知になるのかというと、実はそうではありません。2度目の拒絶理由通知であっても、通常の拒絶理由通知である場合もあれば、最後の拒絶理由通知である場合があります。

 

例えば、1度目の拒絶理由通知の際に、手続補正書を提出して、請求項1に記載されていなかった新しい構成で限定する補正をしたとします。この結果、1度目の拒絶理由通知の際にあげられていなかった新たな引用文献を引用した、2度目の拒絶理由通知が通知されたとします。

 

この2度目の拒絶理由通知は、「最初の拒絶理由通知の応答時の補正によって通知することが必要となった拒絶理由のみを通知する拒絶理由通知」ですから、最後の拒絶理由通知となります。

一方で、1度目の拒絶理由通知の際に、手続補正書を提出して、請求項を補正した場合でも、最初の拒絶理由通知になる場合があります。

 

例えば、1度目の拒絶理由通知で、新規性・進歩性を有していないと判断されており、この拒絶理由を克服するために、請求項を限定する補正をしたとします。そして、2度目の拒絶理由通知で、サポート要件違反の拒絶理由が通知されたとします。このサポート要件の拒絶理由は、本来であれば、1度目の拒絶理由通知で通知されていてもよいはず。

 

このように、本来であれば、1度目の拒絶理由通知で通知されていたはずのものが、2度目の拒絶理由通知で通知される、ということがあります。このような場合は、「最初の拒絶理由通知の応答時の補正によって通知することが必要となった拒絶理由のみを通知する拒絶理由通知」とはなりませんから、最後の拒絶理由通知とはなりません。

2.最後の拒絶理由通知が届いた場合は何ができるか?

最後の拒絶理由通知に対しては、通常の拒絶理由通知と同様、通知が届いた日から60日以内に、意見書・手続補正書を提出することができます。

 

ただし、最後の拒絶理由通知が通知された際に、請求項を補正する場合は、通常の拒絶理由通知が通知された際に補正をする場合とくらべ、より補正に制限が課されます。

通常の拒絶理由通知の場合、新規事項の追加禁止、シフト補正の禁止の制限が課されますが、最後の拒絶理由通知の場合は、さらに、以下を目的とする場合にのみ、補正が認められます。

  • 請求項の削除
  • 特許請求の範囲の限定的減縮
  • 誤記の訂正
  • 明瞭でない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)

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